新外国人投手としてホセ・ピレラ選手との契約が合意に至りました。
今回はホセ・ピレラ選手のこれまでのキャリアについて話を進めていきます。
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ホセ・ピレラ選手と契約合意
11月2日にホセ・ピレラ選手とカープとの契約が発表されました。
マスコミ各社に向けて公式に発表された契約状況は以下の通りです。
- Jose Manuel Pirela
- ベネズエラ出身
- 1989年11月22日(29歳)
- 182cm、99kg
- 右投げ・右打ち
- 契約金3000万円、年俸6500万円
- 背番号 10
日本のマスコミに対し、広報を通じて以下のようにコメントもしています。
「素晴らしい球団の一員になれることに、とても興奮しています。また2020年シーズンが始まることをとても楽しみにしています。皆様の応援よろしくお願いします。」
~ 広島東洋カープ (現在は削除)
① アメリカでのキャリア
アメリカ時代は3つのMLB球団でプレーしています。
- ニューヨーク・ヤンキース
- サンディエゴ・パドレス
- フィラデルフィア・フィリーズ
2019年11月にフィラデルフィア・フィリーズを退団しています。
在籍状況 | |
---|---|
2005 | MLBドラフトで指名されず |
2006 | 7月にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約 |
2015 | 11月にサンディエゴ・パドレスにトレード |
2019 | 7月にサンディエゴ・パドレスから戦力外通告 |
2019 | 7月に金銭トレードでフィラデルフィア・フィリーズに移籍 |
2019 | 11月にフィラデルフィア・フィリーズを退団 |
② フィリーズ退団の報道直後の契約発表
11月2日の日本時間早朝にフィリーズの退団が発表されました。
同日の午前中には「ホセ・ピレラ選手をカープが獲得」という報道が。
DJ.ジョンソン投手に続き、報道が出てすぐの電光石火の契約になりました。
報知新聞担当記者は獲得の裏に「早急な移籍金の提示」があったと明かしています。
カープはDJ・ジョンソン投手、ピレラ外野手と、早々と北米ルートで新外国人を獲得しました。なぜこのような“速攻”が可能だったのか。球団首脳によれば「なるべく早くいい選手を獲りたかったので、所属球団に移籍金を払うことをためらわなかったから」とのこと。V奪還に向けた本気度が感じられます!
— 田中昌宏@スポーツ報知 (@tanakamasahochi) November 2, 2019
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メジャーリーグでの成績
まずは2019年のシーズン成績を振り返ります。
上段がマイナー成績、下段がメジャー成績となっています。
AAAでは22本塁打を放ち、長打力があることも示しています。
ただ、MLBではほとんど活躍できずシーズンを終えています。
[ 2019年シーズン成績 ]
打撃成績 | |
---|---|
AAA | 88試合 .327 22本 73打点 (パドレス・フィリーズ) |
MLB | 14試合 .182 1本 2打点 (パドレス・フィリーズ) |
次にMLBでの通算成績は以下の通りです。
これだけを見ると打撃面で大きな特徴がある選手ではないようです。
[ MLB通算成績 ]
打撃成績 | |
---|---|
マイナー通算 | 1031試合 .282 85本 501打点 |
メジャー通算 | 302試合 .257 17本 82打点 |
① MLBで最も活躍した2017年
ホセ・ピレラ選手がMLBで最も活躍したのが2017年。
6月にMLBに昇格すると1週間で打率.500、2本塁打と活躍しました。
その後、主にレフトで出場し、年間通算10本塁打を放っています。
2018年は自己最多の146試合に出ましたが、打撃面で精彩を欠きました。
MLBである程度の活躍が出来たのはこの2年のみとなっています。
[ 2019年シーズン成績 ]
打撃成績 | |
---|---|
2017 | 83試合 .288 (90/312) 10本塁打 40打点 |
2018 | 146試合 .249 (109/438) 5本塁打 32打点 |
② 年度による「試合出場数の変化」
入団後の年度別での所属レベルをグラフ化しました。
見ての通り、赤で示したトップチームで多く出場したのは2018年のみ。
図1 2007~2019年の所属組織
順調にキャリアを積んできましたが、2019年は過去2年と比べて激減しました。
ただ、マイナーでは3割20本を打っており、選手層が関係した可能性があります。
③ パドレスで起きた「若手の台頭と移籍」
スター候補のフェルナンド・タテーィス.Jr選手の台頭。
内野を守って毎年20~30本が期待できるマニー・マチャド選手の入団。
2018年にはエリック・ホズマー選手も8年契約で移籍してきました。
そして、彼ら3人の内野手が2019年に年間20本塁打以上を記録しています。
[ フェルナンド・タテーィス.Jr選手 ]

[ マニー・マチャド選手 ]

[ エリック・ホズマー選手 ]

外野には2019年に33本塁打のハンター・レンフロー選手もいます。
同じく外野のウィル・マイヤーズ選手も18本塁打を放っています。
[ エリック・ホズマー選手 ]

[ ウィル・マイヤーズ選手 ]

2019年から一気に充実してきたサンディエゴ・パドレスの打撃陣。
2人の新戦力たちに押し出される形で出場機会を失ったのかも知れません。
[ サンディエゴ・パドレスの主力打者成績 ]
打撃成績 | |
---|---|
フェルナンド・タテーィス.Jr | 84試合 .317 22本 53打点 |
マニー・マチャド | 156試合 .256 32本 85打点 |
エリック・ホズマー | 160試合 .265 22本 99打点 |
ハンター・レンフロー | 140試合 .216 33本 64打点 |
ウィル・マイヤーズ | 155試合 .239 18本 53打点 |
④ 2018年には前田健太投手との対戦も
ちなみに2018年には前田健太投手と対戦しています。
対戦成績 三振、三塁ゴロ、二塁ゴロ、レフトフライ
2017年7月には前田健太投手からタイムリーを打った映像(0:53)もありますね。

⑤ MLBの打撃成績からは「中距離タイプ」
日本人のようなコンタクト力のあるバッティングスタイルではないようです。
また、四球が少ないためか、出塁率が.300程度とやや低いのが気になります。
数字をみると、タイプ的には「中距離打者タイプ」といったところです。
マイナーリーグの成績をみても年間25本を超えた年は1度もありません。
当たれば飛ばせる力はありますが、的確にコンタクトできるかどうかですね。
日本で適性を見せるのか、機能しないのか読めないのが正直なところ。
確実に30発を打つタイプではないですが、2020年シーズンの結果を待ちましょう。


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ポジション別の出場機会
次にポジション別の出場機会をグラフ化にしました。
最も多いのがセカンド、次にレフトで、サードは僅かに1試合のみです。
図2 ポジション別の出場機会
① カープではサードを守る可能性も
セカンドは菊池涼介選手が筆頭ですが、去就が不明 (追記 : のちに残留)。
もし、菊池涼介選手が残留した場合にはセカンドに入ることはまず無いでしょう。
そして、レフトは松山竜平選手、長野久義選手、野間峻祥選手が候補になります。
ただ、松山竜平選手はファーストに入る可能性が高いので、筆頭は野間峻祥選手に。
菊池涼介選手が残留し、田中広輔選手が万全な場合はサードの可能性もあります。
もしサードを無難に守れれば、大きなウイークポイントが埋められるかも知れません。
追記 : どのポジションも平均以下の守備力でした
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ここからは退団後の追記です
韓国のサムスン・ライオンズに入団決定
2020年12月16日にサムスン・ライオンズの入団が決定しました。
- 登録名 피렐라
- 契約金 10万ドル(約1040万円)
- 年俸 50万ドル(約5200万円)
- インセンティブ 20万ドル(約2080万円)
サムスン・ライオンズでは外野手として出場予定とのことです。
同じアジア圏の新たな環境で活躍する姿が見られるかもしれません。
① 長距離砲として活躍した韓国プロ野球1年目
1年目は入団時の予想に反して、29本塁打を放ち長距離砲として活躍。
シーズン途中に足底筋膜炎による不調があったものの十分な成績を残しました。

2021年シーズン成績
140試合 .286 (158/553) 29本 97打点 OPS .854
2021年の活躍もあり、2022年も契約を更新すると発表。
チームとして欠かせない存在であると球団も評価しています。
② 2年目は一転してアベレージヒッターとして活躍
韓国プロ野球2年目は一転してアベレージヒッターに。
6月16日時点で打率・安打数・出塁率・OPSはリーグトップで現在4冠。
チームを代表する選手から韓国プロ野球を代表する選手になりつつあります。
日本では活躍することはできませんでしたが、韓国で大きな成功を果たしています。
2022年シーズン成績 (6/16時点)
58試合 .375 (84/224) 10本 40打点 OPS 1.047

② 2022年KBOオールスター戦で投票数トップに
6月16日現在、2022年オールスター投票で外野手トップの投票数を獲得。
投票自体はまだ続いているものの、韓国内のホセ・ピレラ選手の人気を表しています。
2021年と2022年の活躍で実力・人気ともにすっかりリーグを代表する選手に。
ホームランダービーの出場の可能性も考えられ、充実したシーズンを過ごしています。
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