【 プロ野球界にもNFTの波 】DeNA、西武、PLMなど続々と参戦するNFTと疑問や課題

 

最近はプロ野球界でもNFT(Non Fungible Token / 非代替性トークン)が話題です。
今回は現在のプロ野球界でのNFTの動きとその疑問と課題について話を進めていきます。

 

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プロ野球界が続々と参入するNFT

 

プロ野球界でも続々とNFTへ参加する動きが増えてきました。
現在のところプロ野球界では以下のような動きがみられています。

補足 NFTとは以下の通り「証明書付きのデジタルデータ」のことです。

NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルなど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることができ(鑑定書と類似)、ブロックチェーン技術を使用して、そのNFTの所有権の公的な証明を提供する。

非代替性トークン / Wikipedia

① PLMとメルカリが試合映像のNFTをスタート

 

2021年12月16日にPLM(パシフィックリーグマーケティング)からNFTを開始すると発表がありました。
株式会社メルカリと事業を連携し、「パ・リーグ Exciting Moments β」にて試合映像などを提供します。

youtube動画
参照 : パ・リーグ Exciting Moments イメージビデオ / メルカリグループ公式 【公式】

 

開始時には2021年に活躍したパ・リーグ各球団の18名選手の映像が提供予定です。
それぞれにランク付けされているのが特徴で★★★★、★★★、★★の3つに分類しています。

最低価格は2,000円からでランクによって価格が変動します。
人気選手や話題となった場面となると高額になることも予想されます。

 

[ 選手とランク ]
★★★★ (限定販売数 20) ★★★ (限定販売数 50) ★★ (限定販売数 100)
オリックス 山本由伸
(開始後すぐに完売)
吉田正尚 杉本裕太郎
ロッテ 益田直也 小島和哉 荻野貴司
楽天 則本昂大 早川隆久 島内宏明
ソフトバンク 千賀滉大
(開始後すぐに完売)
柳田悠岐
(開始後すぐに完売)
栗原陵矢
日本ハム 上沢直之 伊藤大海 近藤健介
西武 平良海馬 森友哉 栗山巧

 

 

② プロ野球界で”最初のNFT”は西武ライオンズ

 

プロ野球界で最初にNFTを導入したのは西武ライオンズ。
LIONS COLLECTION」と称して、実物商品と同時にデジタルデータを提供しています。

現在は松坂大輔投手やスターティングメンバーボードのデータが販売されています。
西武に関しては実物の販売数の方が多いですが、2022年には提供するデータも豊富に。

NFTをやりつつもサイングッズなど実物商品で収益を確保するスタイル。
ファンとしてはどちらもある方が選択肢は増え、データ派も実物派も楽しめます

 

③ DeNAも11月30日からNFTに参戦

 

2021年11月30日にはDeNAがPLAYBACK 9 (プレイバック ナイン)を開始すると発表。
チーム単独で開始したのはプロ野球界で最初となり、ネット企業ならではとも言えます。

youtube動画
参照 : 【PV】PLAYBACK 9 / DeNA Channel 【公式】

 

今後は二次流通もできるようして購入者同士で売買も可能となる予定です。
LIONS COLLECTIONに比べ低価格で、120円、480円、980円、1,980円となっています。

低価格な反面、これで球団の利益がどれだけでていくかは疑問な所です。
もし提供数を増やすことで解消した場合、希少性は減少し興味が薄れるかも知れません。

 

④ MLBもToppsの野球カードをFNTで販売

 

MLBも2021年4月20日から野球カードをNFT化しています。
販売するのはカード会社として創業80年の最大手であるTopps社です。

NPBと違い試合映像は用いず、従来のカードをデジタル化したもの。
つまり、実在するカードと同じデザインのものがデータとして所有できます。

Topps社の専用サイト「Topps NFTs」をみると日本人選手のNFTもあります。
トップページには大谷翔平選手やダルビッシュ有選手の顔ぶれが閲覧できました。

試合映像が劣化することはありませんが野球カードは劣化します。
そういった意味でも野球カードのNFT化は長期的な保存に優れている面はあります。
※ もちろん管理会社のトラブルでデータが消えることはあります

 

 

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プロ野球のNFTに関する疑問と課題

 

プロ野球のNFTが開始されたことでいくつか疑問が生じます。
今後の動きもありますが現時点であげられる点について検討していきます。

① 簡単にコピー(複製)できる

 

NFTはデジタルデータに証明書がついただけでコピー(複製)はできます。
購入したからといってNFTの著作権や所有権を得たという訳でもありません。

誰かが勝手にコピーしたりダウンロードしても特に問題はありません。
NFT自体は複製を防止できる訳ではなく、単に所有者が証明できるだけです。

  • NFTの証明はできる(トークン)
  • デジタルデータである以上は複製防止できない

 

そう考えると、現在のデジタルデータも著作権者は存在します。
それでもコピーはできるし、違法アップロードが絶えないのが現状です。

デジタルデータである以上、ネット上にあればコピーは可能です。
お金を出して買ったのは良いけど、みんなも持っている状況は起こります。

 

弁護士や讀賣新聞にも以下のように記載があり、その他のメディアでも同様です。

注意を要する点としては、NFTを活用したデジタルアートだからといって、アート作品・表現そのものが唯一無二というわけではなく、アート作品の画像データ自体は誰でも複製できることがあります。

NFTと法 第1回 【弁護士が解説】 NFTとは? 法規制と実務上の留意点 / BUSINESS LAWYERS

トークンは複製が不可能だが、作品自体は複製できる。

小3男児の絵に「一時2600万円」…高値売買の動きを急拡大させた「NFT」 / 讀賣新聞

 

② プロ野球中継と同じ映像が必要なのか

 

もうひとつ誰もが思ったであろう疑問が試合映像はテレビで録画できる点です。
結局、販売されているシーンはテレビで普通に流れている映像が大半となります。

そうなった場合、「テレビの録画で良くない?」って思う訳です。
録画して保存できるものをわざわざお金を出して所有する必要があるのかと。

例えば、使用グッズのように世界に1つのものであればわかります。
反面、野球中継であれば日本全国の数えきれない人がデータを所有しています。

金額がいくらにせよデータを所有したいだけであれば録画したら済む話です。
そこにわざわざお金を投じて所有する必要があるのか?という疑問は残ります。

 

③ 所有することより”売買”が主な目的に

 

ここまで話したように、試合映像のデータが欲しければ録画をすればこと足ります。
そうなると結局はそのデータの売買で価値を発生させること主な目的になるかと思います。

まずはNPB側がファンに向けてNFT販売することで球団などに収益が発生します。
また、いずれそのデータ所有者の売買が可能となる予定なのでそこでも収益が生じます。

一部のデータは絵画のように価値が高騰し、高額な取引が行われることも考えられます。
大谷翔平選手のようにMLBで活躍するとルーキー時代のNFTは相当価値も高まるはずです。

以上のように資産的な価値として所有することには意味はあるかも知れません。
反対に売買しない人にはあまり意味はなく、そのデータそのものも複製できてしまいます。

貴重な野球カードは以前より高額で売買されているのは周知の通りです。
ただ、それは有形物として存在し、数が決まり複製ができないのでその価値は理解できます。

もし試合映像のNFTに価値が出たとして、同じ映像が世の中には大量に存在します。
資産目的以外の場合、“そこにどんな価値を見出せるのか?”が現時点での個人的な感想です。

 

④ 日本の法律上は”所有権”は持てない可能性も

 

多くメディアで所有者には証明書が発行される旨の記載はあります。
確かに証明するものが付与されるのですが、所有権については考える必要もあるようです。

直筆サインユニフォームなど現物として存在するものは所有権が発生します。
しかし、ネット上の実在しないものに所有権が発生するのかは疑問なところです。

弁護士が運営するサイトでも以下のように記載がありました。
NFTでは所有権を持つとの記載もよくありますが、法令上そうではないようです。

NFTのような無体物に所有権は認められず、また、「デジタル所有権」なる権利も法定されていない以上、NFTアートの売買において具体的にいったい何を(何に関する権利を)取引しているのか、慎重に検討する必要があります。

NFTと法 第1回 【弁護士が解説】 NFTとは? 法規制と実務上の留意点 / BUSINESS LAWYERS

 

ネットでは「NFTはコピーできない」「NFTの所有権を持つ」など様々言われています。
複雑な仕組みであるため情報が錯綜さくそうし、正しいことも間違ったことも溢れかえっているようです。

 

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今回のまとめ

 

今回はプロ野球界で活発となり始めたNFTについて話を進めてきました。
現時点ではファンの間では大きな話題になっていませんが一部で盛り上がっています。

反面、現時点で個人的にはあまり魅力を感じていないのも正直なところです。
投資対象としては伸びていくとは思いますが、映像所有自体は現状で問題ありません。

ただ、所有したとしても株のようなデメリットはほとんどないようにも思います。
価値がでればそれで良いし、好きな選手の活躍するデータを所有するのも良しです。

今後、プロ野球界でNFTはどんな広がりをみせるでしょうか。
まずは頭ごなしに否定はせず、これからの動きに注目しながら今後に期待しましょう。

 

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